top of page

矯正治療

 くまがい歯科の「矯正治療」=「歯並び治療」ではありません。
 歯並びが悪い人の多くは歯科領域以外にも何らかの機能障害を持たれています。
生まれたときには歯は萌出しておりませんので、先天的な歯列不正というのは存在しません。
歯列不正の大半は、歯の大きさと歯の植立している骨格の大きさや形態の不調和に直接的原因があります。
脳や眼球、耳管、三半規管、鼻腔は全て骨格の中に形成されていますから、骨格の不正はそれらにも影響しないはずがありません。
骨格の成長には遺伝要素と環境的要素があり、それらの複合によります。
一卵性双生児であっても、育つ環境が異なると骨格の成長に差異が生じる事は研究により判っています。
発育過程における内因的、習慣的、或いは個々の環境的因子により大きさや作用方向が異なる筋肉の力学的刺激が、成長の質や方向に関わります。
 顔面骨格の不正成長は単に歯並びや咬合の不正をもたらすだけではなく、鼻閉や中耳炎等の耳鼻咽喉科領域や眼科領域の疾患、呼吸器や循環器の疾患の一因にもなります。
その他にも頭痛、肩こり、ホルモン異常、平衡失調等にも関連する場合可能性があります。
これらは歯列不正がもたらした疾患ではなく、歯列不正の原因となる骨格の異常がもたらす機能障害です。
それらの因果関係を無視して見た目だけの歯並びを整えるのと、原因に即した治療を行うのでは雲泥の差があります。
矯正治療の専門教育は歴史的に筋肉や神経等が写らない、X線写真と歯型をもとに診断し治療計画を立案していきます。

しかし、X線写真では脳や神経を見ることは出来ません。 造影されるのは主に骨格です。

頭蓋骨格は脳や様々な器官、機能に必要な腔の保護容器としての役割がありますので、それらの映らないX線写真のみで診断・施術される矯正治療が時としてさらなる機能障害の原因を作ってしまう可能性は否定できません。

 歯が大きいから或いは顎が小さいから歯列が整わず重なってしまう。⇒では歯を抜いてスペースを作りましょう。

という事例をよく耳にします。

さて、この場合歯が異常なのか小さい顎が異常なのか? ここが問題となります。

口腔という口の中の骨格的容積は舌筋の体積に連動して拡大成長していきます。

ですから小舌症や無舌症の疾患により顎が狭小化している場合は難しいですが、慢性的な口呼吸により常に開口していることで舌筋の圧力が顎の成長に作用しなかった事により狭小化してしまった場合は、もし可能であれば抜歯により見かけのみの整列をさせるのではなく、顎の形態を正常化させることが正論と言えます。(今までの歯科医学では、大掛かりな手術以外では不可能とされていました。)

上の歯の植立している上顎骨は鼻腔を形成し、眼球を支えている大きな骨です。

これが狭小化しているという事は、とりもなおさず鼻からのAirwayが狭く、眼球も不安定状態に置かれているという事に配慮するべきです。

もし治療として狭小化した上顎骨の形態を正常にできるのであれば目・鼻(=呼吸)・歯の諸問題が一気に解決することになります。

これに対してくまがい歯科では、12才までの小児には取り外し式のバイオブロックという顎拡大装置、それ以上の成人にはマイクロスクリューにより上顎骨の正中口蓋縫合を拡大するMSEという装置を使用して大変良い成果を達成しています。

MSEはUCLA大学の呼吸器科で無呼吸症候群の治療としても採用されている実績があります。

こんなに広がる正中口蓋縫合

赤ちゃんの頭がペコペコ柔らかいのは、頭の骨の結合部が未完成で完全に合わさっていないからです。

結合部である縫合の完成はおおよそ12才です。

縫合部には軟組織が介在していて100才になっても癒着する事無く可動性を保ちます。

下の写真はそれぞれ8才の男の子です。

上顎骨の成長不良により、スペース不足で叢生となっていました。
取り外し式の拡大装置(Bio Bloc Stage1)で1日に0.1~0.2mmほど正中口蓋縫合を拡大しました。

上の写真の子は2か月と少し、下の写真の子は特に重度な成長不良でしたので3サイクルの拡大を行いました。
それにより上顎骨全体の大きさが増すことにより自然と歯列が正常となりました。

副次効果として鼻詰まりや滲出性中耳炎が解消しました。
上顎は歯を支えているだけでなく、鼻腔を形成し眼球も支えていますので、直接的に他の器官にも影響があります。

現に2017年から米UCLA大学の附属病院では、無呼吸症候群と眼科治療を目的とした、上顎骨の拡大治療が行われるようになりました。(MSEを使用した上顎骨拡大治療はくまがい歯科でも良い成果をおさめています。)
これらの事を理解すると、正中口蓋縫合を固定してしまう歯科治療はもう出来ませんね。 

bottom of page